鈴木 寛のBlog

0004東京・名古屋リニアモーターカー

先日、JR東海が取締役会で2025年までに、中央リニアモーター新幹線の東京・名古屋間建設を決定したとの報道発表があった。総工費五兆円を、自前調達するとのことだ。

そのニュースを見たとき、これはいけると直感した。ポイントは資金を自前調達にしていることだ。このプロジェクト、国の資金をいれた瞬間に頓挫するだろう。なぜか。国家予算というのは要求額から必ず査定減額される。要するに、必ず値切られる。それに、国の予算というのは一挙に増やして・減らすというのが苦手だ。いまどき、政治的リーダーシップも発揮しづらいので、予算を付けるといっても、ちびちび、ちびちびとなるだろう。それに予算を要求し獲得するのは労多くして益すくなし。わずかな予算でも、本質とは関係ない重箱の隅をつつくような議論に延々つきあわねばならず、しかも、担当の役人は二年で交替するから、いつも素人同然の人に説明にいき、お伺いをたてなければならなくなる。決して日本政府を揶揄しているのではない、アルビン・トフラーも、その著書「富の未来」のなかで企業と政府の問題処理スピードの違いを述べている。そうした政府が関与することに伴う膨大な調整コストを考えると自前調達の判断は極めて賢明だ。

5兆円の調達だが、少ない金額とはいえないが、世界の投資家から一夜にして集まるだろう。すでに上海では空港と中心市街でリニアが導入されているし、愛知万博でも試験導入された。もちろん東京・名古屋では間、距離は違うが、技術的にはすでに成熟しており、技術的な障害はほぼない。
そもそも1964年開通の東海道新幹線が、2025年で耐用年数の60年を迎え、その設備更新をどうするかという観点から進められている計画なので、必要性も高い。いずれにして実現可能性は高い。

我々の世代が中心になってこのプロジェクトを引っ張っていくこととなるが、これくらいのプロジェクトがきちんとできないようでは子孫に申し訳ない。

ところで、リニアが開通すれば国土構造・国土軸は激変する。それを想定して様々なことを準備しなくてはならない。たとえば、静岡県の環境激変は明らかだ。また、関西の劣勢は促進される。名古屋・大阪間のリニア建設はどうするのか?ほかにも様々な構造変化が起こる。あらゆる分野で、すべての国民が、心して備え、手を打ちはじめなければならない。

過去の歴史を振り返っても交通幹線再編への対応が栄枯盛衰を分ける引き金になっている。

2007-12-30 23:18:00

PROFILE

鈴木 寛

参議院議員

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