今日も、取材やら、衣類のリースやらで
都内を縦横に移動しておりました。
なんだかオヤジの繰り言のようで申し訳ないのですが、
今日は、私の仕事観からお話しします。
この歳になって、ようやく編集者という職業の奥深さに
気付きはじめたようです。
最近、なんだか仕事がとても楽しくなってきたんです。
昔は、ただ文章や(自ら書いたモノ、依頼原稿)、
写真など、誌面構成に必要な「素材」を寄せ集めて、
ADの方にぽんっと渡して
「こんな感じでお願いします!!」
これでおしまい、でした。
実を言うと、編集者というのは誰でもできる仕事なんです。
(高校生レベルの国語能力があれば、ですが)
実際、「プロ」ではない高校生や大学生でも、
同人誌やフリーペーパーを作成したり
しています。
では、お客様やスポンサーにお金を頂いて市販をし続ける「媒体」と
そうでない「媒体」の差はどこにあるのでしょうか?
答えは至ってシンプルで、その「質」でしかないと思います。
誰でも出来る(作れる)ものだから、品質こそが問われる。
そういう意識が作り手にあるのかどうか……。
それが大事なのではないかと。
結局、文字の大きさや書体、写真のトリミングなど数センチ、
数ミリ拘ったところで、それが売り上げにどれだけ直結するのかというと
あまり関係ないかもしれません。
でも、自らの仕事の存在価値が「品質」にあると自覚しているのなら、
自ずと作成時の拘りは捨てることができなくなります。
よく学生さんなどに
「編集者ってどういう職業ですか?」
と聞かれます。
そのとき私は、
「編集者はね、映画監督みたいなものだよ」
と答えています。
結局、映画監督の仕事というのは、
脚本を書くことでも(書く人もいますが)、カメラを回すことでも、
演技をすることでもありません。
「監督」のことを英語では「ディレクター」と
言うように、その仕事の本質は「ディレクション」なんです。
自らの撮りたい画、作りたい物語の方向性をきめて、現場の各スタッフに指示を出し、
纏めてゆく。役者に対する演技指導も行う。最後は映像を編集し、完成させる……。
よくよく考えてみると、これ、雑誌編集の仕事内容とまったく同じなんですね。
雑誌もまずは企画を決め、そしてテキスト(=映画なら脚本)と
ビジュアル(=映画ならカメラワーク)の方向性、
そしてそれらの素材を誌面に並べた時に、
「いかに面白そうに見えるか」(=映画なら編集)という全体構成を考えます。
そして企画意図を各スタッフ(ライター、フォトグラファー)と共有し、
ファッション撮影であれば、現場で演出(=映画なら演技指導)することもある。
もちろん、自ら文章を書いたり、レイアウトに関わったりして
色々と兼任する編集者もいます。
ようするに、問われるのは「質」「販売数」だけであって、
そのプロセスは自由なんです。
だからこそ、制作者のスタイルが表れる。
たとえば黒澤明監督は、セットの色が気に入らなければ、
現場ですべて塗り替えさせるほどの完璧主義者でした。
一方で、北野武監督は、脚本はほとんどアドリブ。
撮影は順取り(物語の内容に沿って撮影していきます)で
カメラワークも演技も現場の共同作業で作りあげていきます。
(人に聞いた話ですが、監督はすぐに「これ、どうしたらいいの?」と
スタッフに聞くそうです。元来映画畑上がりの人ではないので、
素直に分からないことを聞いて、周りに助けてもらうみたい。
助けてもらう……それも才能かも)
是枝裕和監督などは、「カチンコ」を使わず、いつの間にかカメラを
回して撮影するそうです。
気が付いたら、カメラを回されている。
「はい、スタート!」という段取りがあって
テンションを高めて演技に入る女優さんなどは、
最初、このスタイルに相当とまどうようですが、
「リアルさ」「自然体」を求める是枝監督は、
このやり方が一番いいと考えているのでしょう。
映画監督同様、編集者にもいろんなタイプがいます。
テキスト、写真、レイアウト、すべてに拘り、
強力なリーダーシップで纏め上げる完璧主義者。
一方、テキストにしか拘りを見せない文学肌(or新聞記者型)の人。
逆にレイアウトと写真にしか興味を見せない
アーチスト型(ファッション畑型)の人。
たまに、企画意図もやりたいことも、な〜んにもなくて
「どうしたらいいですかね〜」
しか言わないご用聞き型編集者もいます。
(けっこう仕事をするときに困ったりします(笑))
まあ、何が言いたいのかというと、映画も編集者も
プロセスに個性とか人間性が出るモノであって、
そのやりかたに「正解」はない、ということですね。
だから面白いんです。
あれ……。
この間、これからはもっと文章を短くすると宣言したばかりなのに、
また長くなってしまいました……。
すいません。
とりあえず最後に昨日のお仕事について記しておきます。
まずは、「SWITCH」誌での取材から。
フィデックの深田剛社長を取材しました。
深田社長と話していて「とても美学を持った人」だと
思いました。
「かっこつけシー」ではなく「美学」。
これ、微妙な差なんですが、ちょっと違います。
表面的な「美」に拘るのが「かっこつけシー」で
内面的な「美」に拘るのが「美学」。
深田社長は、自らの中に「こうあるべき」「こうありたい」という
理想がしっかりと構築されているようです。
「僕はね、口だけの人間は嫌いです。
行動しなけりゃだめですよ」
とても印象に残った言葉でした。
元Number編集部のライターYさんが
「考え方が、ちょっと中田英寿に似ている」
と言ってましたが、確かに似ている部分があるかもしれません。
中小企業の買掛金管理業務を請負い、資金の流れを良くする。
売り上げ〜入金のタイムラグによる黒字倒産を防ぐ。
結果、日本の屋台骨を支える中小企業を元気にする。
是非、応援したい「理想」です。
これからも頑張って下さい。
あっ、ちなみに手前に写っているフォトグラファーは
岩根 愛さんです。
高橋恭司さん好きだというのが私との共通項。
以下はダイジェストで行きます!
同じくフィデック経営企画室の及川さん。
すごく変わった人です(すいません)。
というか、初めてです、こういう女性に取材できたのは。
ただ、間違えないで欲しいのは、奇人変人という意味ではありません。
何て言うんでしょうか、母性愛と使命感と几帳面さが渾然一体となって
作られた「エキス」を仕事に注ぎ込んでいる感じ。
とても楽しそうでエネルギッシュなんです。
ユニクロ商品・マーケティング本部の石川さん。
丁寧にリースに対応して頂いて、ありがとうございました!
元プレジデント社社員にして、
前ユニクロ広報担当であったT君の話をしたら
「えっ、Tさん知っているんですか?」
と驚きの表情。
世の中は狭いのです。
フォトグラファーの藤井勝己さん。
強引な撮影日程のなか、いつも嫌な顔一つせず
仕事をしてくれる、まさに「職人」。
今回も、ブツ撮りをお願いしました。
いつも助けられています。
ありがとう!
2005-11-26 00:02:00



