SHIBUYA BOOKSELLERSのBlog

Alexander Mcqueenと、本のこと。

アレキサンダー・マックイーン氏。デザイナー。
享年40歳。

ファッション界に数々の功績を残し、今年の2月にこの世を去ることとなった、時代の寵児です。

そんな彼のコレクションを網羅的に収めたビジュアルブック、『Alexander Mcqueen: Genius of a Generation』が入荷しました。



表紙は、厳しい世界情勢の中、華やかで見るものの眼を虜にさせた千鳥格子のコレクション写真。しびれます。

著者はファッションジャーナリストであるクリスティン・ノックス。彼女くらいの歳のファッションに関わる人にとって、マックイーンは欠かすことのできない存在。だからこその視点で切り込んだ内容となっています。


私は時々、思い出すとyoutubeを開きます。
ケイト・モスが漂うコレクション。
スプレーが飛び散るコレクション。
シャンデリアの上昇から幕開けとなるコレクション・・・


どれもこれも、震えるものばかりでした。
彼の作品は、服やファッションというものをわすれるくらい、プリミティブな「ただ美しい」という感覚を覚ましてくれます。



そんな彼のコレクションで、特に男性のファンが(たぶん)こぞって口に出すコレクションがあります。

2006 S/S メンズ
"蠅の王"

そう、イギリスの作家ウィリアム・ゴールディングの小説を題材にしたコレクション。


(池田満寿夫の装丁かっこいい!)

ゴールディングはこの作品で、1983年ノーベル文学賞受賞、ブッカー賞も1980年に受賞しています。

内容は、無人島で生きることとなった少年たちのはなし。
一瞬十五少年漂流記を髣髴とさせると思いきや、、、わけが違う。暗さマックス。

少年たちは島の暮らしに慣れていく中で、次第に役割を覚え、順調に暮らしていきます。
しかし、次第に島の内面に潜む「何か」が表面化し、ある少年は「獣のようなものをみた」といい始めるのです。

次第に混乱していく少年たち。
蠅の王とは何なのか?
「何か」とはどこからくるものなのか?

得体の知れない何かから襲われる、とてつもなく不気味な感覚と、人間が持つ狂気。
(続きは小説で読んでください)



このゴールディングの卓抜した小説の中に張り巡らされた

黒 鳥 兵士 
怒り 悲しみ 狂気 

などの要素を「服」に落とし込んだマックイーンの仕事は、鳥肌モノです。
ゴールディングの小説を読んで、マックイーンの仕事を見てみてください。

それはもう美しくて、すべてが腑に落ちて、
心地よい感覚が味わえることでしょう。



ファッションと本の出会いが、こんなにもすばらしいものを生み出すなんて。最高です。



マックイーンよ、永遠に。



1、『Alexander Mcqueen: Genius of a Generation』
Kristin Knox
A & C Black  3675円

2、『蠅の王』
ウィリアム・ゴールディング
新潮社  630円

*おまけ

『high fashion 2005年12月号「ファッションは本を必要としている。」』




書店スタッフ 鈴木

2010-07-06 20:23:00

PROFILE

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SHIBUYA BOOKSELLERS

2008年1月オープン。
書棚には、文学・ノンフィクション・エッセイ・詩集などから、写真集・アートブックまで、一点一点セレクトされた本が、新刊・古書問わず並んでいる。入って右奥の書斎コーナーでは、定期的に独自の切り口でブックフェアを開催。その他、SHIBUYA PUBLISHING刊行のオリジナル出版物は常時全タイトル揃い、店頭にて購入することができる。また月に3~4回、SPBSラボと呼ばれるトークショーを行っている。

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