
どこで働き、どこで生きよう?
「どこで生きていくのか」ということは、誰しもにとって人生を左右する大きな問題です。インターネットや高速交通機関が発達した現代において、暮らしていく土地を自分で選ぶことはかつてより遥かに容易になりました。
「なぜ、ここで生きるのか?」
「ここでないとしたら、どこへ行こう?」
そんな問いを自らに問うている方は少なくないかもしれません。さらにその問いは、3.11の震災を経てより大きくなっているのではないかと感じます。
本日ご紹介するのは、そんな問いに少し立ち止まって「どこで働き、どこで生きよう?」を考えてみたい方にお薦めの一冊です。刊行は、震災を経て東京/京都の二拠点体制に移行したミシマ社、著者は『自分の仕事をつくる』(晶文社・ちくま文庫)など働き方や生き方について研究してきた西村佳哲さん。
ただし、タイトルから「地方で生きること」を体系立ててきっちりと論じた本と思って開いてみると、肩すかしを食らうかもしれません。本書はむしろ、著者が「どこで生きる?」「東京を離れて?」という問いを抱きながら、その思いを整理できぬままに、東北と九州を訪ね歩いた紀行文に近いものです。ただひたすら、会いたいと感じた〈いま、地方で生きている人〉に会い、彼らの話を聴き、考え、また次の場所へ移動する。その足跡を追いながら、読み手は著者と共に考えさせられることになります。
さらに「なぜ、地方なのか」を考えることは「なぜ、東京で生きるのか」を問い直すことにもつながります。東京で生きる人にとっては、東京をあらためて能動的、主体的に選ぶことを考えさせてくれるように思います。
担当:原田
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2012-02-02 15:21:00
