SHIBUYA BOOKSELLERSのBlog

【SPBS Daily Recommend】『THIS IS FOR YOU』ROB RYAN Chronicle Books




赤と白のコントラストが美しいこの表紙、何で描かれているかおわかりになるでしょうか。実はこちらは切り絵なんです。本日ご紹介するのは、ハサミで繊細な画を生み出すROB RYANの作品集『THIS IS FOR YOU』です。

ROB RYANはロンドンを中心に活動を続ける切り絵アーティストです。2007年にHodder & Stoughtonから限定出版されており、待望の再販となったのがこちらの作品集。特徴的な文字をはじめ、登場人物たちはもちろんのこと植物や建物など細かな部分まですべてが一枚の紙にひとつなぎに描かれています。緻密で美しい絵柄もさることながら、各作品につづられたメッセージもまた素敵で、眺めるうちに心が温かくなります。





表紙を開くと「IF YOU BELIEVE IN LOVE,BUT FIND IT DIFFICULT TO EXPLAIN-THIS IS FOR YOU」という作者からのメッセージも。ハートウォーミングなこちら、普段はなかなか口に出せない思いを作品内の言葉たちに重ねてプレゼント、なんていかがでしょうか。店頭ではバレンタインフェアの一環として展開しておりますので、ぜひお手に取ってご覧ください。

担当:松井

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2012-02-04 13:29:00

【SPBS Daily Recommend】『ポートレイト・イン・ジャズ』和田誠・村上春樹 新潮文庫





村上春樹さんの小説には、様々なジャンルの音楽が登場します。


ビートルズやビーチボーイズ、ボブ・ディランなどロック系が多いのですが、その他にもジャズやクラシックなども流れてきて、物語の中に静かに彩りを与えています。


本日ご紹介するのは、イラストレーターの和田誠さんが描くジャズ・ミュージシャンの肖像に、村上春樹さんがエッセイを添えたジャズ名鑑ともいえる「ポートレイト・イン・ジャズ」です。


村上春樹さんは元々、小説家としてデビューする以前に、ジャズ喫茶を経営されているほど、ジャズに対しての愛情は深く、その気持ちが溢れ出ているようなエッセイになっています。

とはいっても、難しい解説はなく、それぞれのミュージシャンが奏でる音楽、あるいはその人生について書かれた文章には、とても短い短編小説(だいたい3〜4頁です)のような味わいがあって、普段、ジャズを聴かない方にとっても気軽に楽しめる内容になっています。


収録されているのは、マイルズ・ディヴィス、チャーリー・パーカー、アート・ブレイキー、ビル・エヴァンス、ルイ・アームストロング、エラ・フィッツジェラルド・・・などなど。

僕が特に好きなのは、孤高の天才ピアニスト、セロニアス・モンクについての文章です。


『濃いブラック・コーヒーと、吸いがらでいっぱいになった灰皿と、JBLの大きなスピーカー・ユニット、読みかけの小説(たとえばジョルジュ・バタイユ、ウィリアム・フォークナー)、秋の最初のセーター、そして都会の一角での冷ややかな孤独————そういう情景は、僕の中では今でもまっすぐにセロニアス・モンクに結びついている。素敵な情景だ。現実的にはほとんどどこにも結びついていなかったにせよ、それはよく撮れた写真みたいに、美しい均衡をとって僕の記憶の中に収められている。』

『それも孤独のひとつの切実なかたちなのだと、僕はそのときに思った。悪くない。寂しいけれど、悪くない。僕はそのころ、いろんな孤独のかたちをひたすらあつめていたような気がする。山ほど煙草を吸いながら。』


あとがきで、和田さんも書いているように、村上さんは、単なる楽曲解説ではなく、ジャズを聴く気分やジャズが持っている力を的確に表現していると思います。


寒い日が続いていますが、お休みのときには、暖かい部屋で温かいコーヒーを入れて、好きな音楽(できればジャズを)を聴きながら、本書を楽しんでみてはいかがでしょうか。


担当:加藤

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2012-02-03 17:20:00

【SPBS Daily Recommend】『いま、地方で生きるということ』西村佳哲 ミシマ社



どこで働き、どこで生きよう?

「どこで生きていくのか」ということは、誰しもにとって人生を左右する大きな問題です。インターネットや高速交通機関が発達した現代において、暮らしていく土地を自分で選ぶことはかつてより遥かに容易になりました。
「なぜ、ここで生きるのか?」
「ここでないとしたら、どこへ行こう?」
そんな問いを自らに問うている方は少なくないかもしれません。さらにその問いは、3.11の震災を経てより大きくなっているのではないかと感じます。

本日ご紹介するのは、そんな問いに少し立ち止まって「どこで働き、どこで生きよう?」を考えてみたい方にお薦めの一冊です。刊行は、震災を経て東京/京都の二拠点体制に移行したミシマ社、著者は『自分の仕事をつくる』(晶文社・ちくま文庫)など働き方や生き方について研究してきた西村佳哲さん。

ただし、タイトルから「地方で生きること」を体系立ててきっちりと論じた本と思って開いてみると、肩すかしを食らうかもしれません。本書はむしろ、著者が「どこで生きる?」「東京を離れて?」という問いを抱きながら、その思いを整理できぬままに、東北と九州を訪ね歩いた紀行文に近いものです。ただひたすら、会いたいと感じた〈いま、地方で生きている人〉に会い、彼らの話を聴き、考え、また次の場所へ移動する。その足跡を追いながら、読み手は著者と共に考えさせられることになります。

さらに「なぜ、地方なのか」を考えることは「なぜ、東京で生きるのか」を問い直すことにもつながります。東京で生きる人にとっては、東京をあらためて能動的、主体的に選ぶことを考えさせてくれるように思います。

担当:原田

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2012-02-02 15:21:00

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BOOKSELLERS

SHIBUYA BOOKSELLERS

2008年1月オープン。
書棚には、文学・ノンフィクション・エッセイ・詩集などから、写真集・アートブックまで、一点一点セレクトされた本が、新刊・古書問わず並んでいる。入って右奥の書斎コーナーでは、定期的に独自の切り口でブックフェアを開催。その他、SHIBUYA PUBLISHING刊行のオリジナル出版物は常時全タイトル揃い、店頭にて購入することができる。また月に3~4回、SPBSラボと呼ばれるトークショーを行っている。

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