柴田 隆寛のBlog

洗いざらしのジェラシーと魔法の万年筆



見た目はごく普通の一軒家です。

午後ちょっと時間が空いたので、ご近所の「homspun」に洋服を見に行く。レディスブランドなので、自分で着られるわけではないのだけれど、小紋柄のプリントワンピースとか、番手の太いステッチが効いたチュニックとかやっぱりカワイイ。自分が女性だったら、たぶんここの洗いざらしのシャツとリーバイスがあれば、それだけで暮らしていけると思う。

帰りがけスタッフの方に、ギャラリー「日日」の次回の展示のハガキをもらった。ずっと前にデザイナーの甲斐さんから、その存在を聞いていて探していたのだけれど、場所が分からず辿り着けずじまいだったので、あらためてハガキの地図を頼りに訪ねてみる。本当に灯台下暗し。「越後屋豆腐店」のほぼ裏手。細い路地のブルーの一軒家の玄関に小さく“OPEN”の看板。これじゃ、分からないのも無理もない。恐る恐る玄関を空けて、靴を脱いで中に入る。10畳程度のスペースだろうか、グリッド状の棚に美しい器が整然と並んでいる。個人的に注目している陶芸家、李英才さんの器から、今度大々的に展示を行うという角偉三郎さんの漆の器まで、まさに少数精鋭。脇から汗が噴き出すぐらい、オーナーの哲学のあるセレクションと日常に対する視線に興奮した。

ふと、木製の万年筆が目に入って、手に取らせてもらう。削り出しの木目の美しさもさることながら、もう何年も連れ添った相棒のように手にしっくり馴染む。試し書きした瞬間、もう完璧に持っていかれた。一本一本、入念な手仕事で製作されているという万年筆は、シュテファン・フィンクさんというドイツ人作家によるものだという。さすがに、衝動買いできるような値段ではなかったので、あきらめたけど、もし手にしたなら、何だかすごい原稿が書けそうな気がする(笑)。あの万年筆が似合うようになるには、果たしてあと何年かかるんだろう?



その名も「アホウドリ」。かなりヤバいです。

日日
渋谷区富ヶ谷1-43-12
http://www.nichinichi.com/ja/index.htm

2008-03-29 01:14:00

PROFILE

takahiro_shibata

柴田 隆寛

編集者/EATer所属。雑誌を主戦場に、書籍やリトルプレス、webの編集を横断的に行う。 主な仕事に『HUGE』、ロバート・ハリス著『人生の100のリスト』(ともに講談社)、『リサ・ラーソン作品集』(ピエブックス)、『KAT-TUN LIVE DOCUMENT PHOTOBOOK』 (角川グループパブリッシング)、「BEAMS」カタログ、「MOTTAINAI」キャンペーンコンセプトブックなどがある。 また、webサイト「夢の病院をつくろうPROJECT」のメンバーとしても活動中。
EATer:http://www.eater.jp/ 

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