柴田 隆寛のBlog

夏の日のタンピン三色イーペーコー




 先日、イベントの設営の手伝いで久しぶりに軽井沢に行った。果てさて、いつ以来だっけ? ってしばらく反芻して、ようやく思い出した。

 今から約15年前、大学生の時のことだ。ちょうど、今ぐらいの時期だったと思う。カラオケボックスのバイト仲間の両親が持つ、軽井沢の別荘に遊びに行こうという話になった。メンバーは全部で4人。そもそも20歳そこそこの野郎には、似つかわしくないセレブリティな避暑地。女の子がいれば、きっと展開も違っていたのだろうが、テニスやナンパに興じるでも、温泉につかるでもなく、バイト先からケースごとくすねたビール、冷凍食品のエビピラフ、ポテトチップスといったジャンクフードを食料にして、不眠不休で2日間ブち続ける麻雀トライアスロンを敢行! 

 最終的には、雀力よりも気力、体力、時の運が問われたこの戦い。津波のように襲ってくる眠気、遠のいていく意識と闘いながら、「敵は卓を囲む3人じゃねえ、自分だ!」と己を鼓舞し、恐れをなしては引き返したり、危険牌をブッた切ったりしながら、トップという頂きを目指す終わりなきシーソーゲーム。紫煙でかすむ卓上に、淡々と響き渡る乾いた牌の音、そして時折漏れる溜息。まさに、殺るか、殺られるか。日常にはない殺伐とした空気に言い知れぬ恍惚と不安を覚えながら、魂を振るわせた夏。もしかして、俺たちは今、誰も成し得なかった崇高な儀式を遂行してるんじゃないのかなんて、アホな錯覚すら覚えながら、どうにかこうにか地獄のような2日間を乗り切ったのでありました。

 そんな感じで、寝ても醒めても麻雀三昧だった学生時代。今思うと、平和ボケした日常では味わえない、ヒリヒリした緊張感が欲しかったんだろうな〜。それに麻雀は、常に選択を迫られるゲーム。理想か現実か、勝負するのか、下りるのか? どんなにセコくても勝ちゃいいのか、負けても自分の理想を追い求めるのか? 否が応でも、人間の本性が表れるから面白い。と同時に、いくら頑張ったって、人生にはどーにもならないことがあるっていう厳しさを教えてくれる。実際、麻雀仲間だった後輩の女子は、人生を麻雀になぞらえ、某テレビ局の面接で「好きな役は、タンピン三色イーペーコーです」と役員にのたまい、無事アナウンサーへの切符を手にした次第。

 ところで最近、麻雀も酒もやらず、旅にもいかないって、男子大学生が増えてるようですが、いったい全体何やって遊んでんでしょ? 少々説教臭くなりますが、授業とか真面目に受けてんじゃねーよ! どーしようもない無駄や暇つぶしにこそ、真理は潜んでんだぜ! 

2010-08-14 00:36:00

6月24日(木)HUGE BAR開店です!



Illustration by Shuntaro Takeuchi


仕事をしていると、大抵お金と時間の問題にぶつかる。かく言う自分も「予算がないから」「スケジュールが厳しいから」という理由で、どれくらい仕事を断ってきただろう。「今回は仕方ないか」。そう自分に言い聞かせながら、依頼をやり過ごすことにうしろめたさを感じたり、時に逃げ腰になってしまっている自分に無性に腹が立ったりする。

その一方で、人には「予算はないんですが、、」「キンキン(愛川欽也)なんですけど……w」なんて言いながら、平気で仕事をお願いしたりしている。まぁ本当に質が悪い、反省しなきゃと、いつも思う。やれやれ(by 村上春樹)

そう言いながら、また周囲の人たちの優しさに甘えてしまった。何の話かというと、講談社『HUGE』の71号(6月24日発売号)〈特集Liquor me up! 酒がなくては生きていけない〉の発売記念イベントの話だ。

酒の特集号ということもあり、ウイスキーの蒸溜所、焼酎の蔵元、酒屋、バー、居酒屋、芋農家などなど、取材に行く先々で、先月はほんとうに酒を飲みまくった。記事にするからといって、自分だけ飲んだくれたってしょうがない。

そう酒は天下のまわりもの。
混ぜ過ぎてはダメ、炭酸が抜けてしまうから(by 小雪)

そんな感じで、読者の人たちにも写真や活字だけじゃなくて、旨い酒を楽しんでもらえる場所を作れたらいいなぁ、なんて酩酊状態の思いつきと勢いで企画したのが、6月24日(木)から都内3カ所でスタートする“HUGE BAR”というイベントだ。

予算も、準備期間もないD.I.Y.なイベントではあるけど、自分の図々しいお願いに、利害関係ではなく、心意気でサポートしくれる人たちのおかげで、何とかカタチにできそうです(泣)

関係各社のみなさん、いつも無理を言ってすいません。
イベントにご協力して頂けること、心から感謝しています。

なので、HUGE読者もそうでない人も、気のおけない友達の家に飲み行くような感覚で、フラッと遊びにきてください。そして、一緒に酒を酌み交わしながら、いろんな話をしましょう。ちょっとでいいから、俺の人生も悪くないな、なんて思える瞬間を作れたなら、これ以上うれしいことはありません。

Let's Get Drunk!!!


■イベント詳細
HUGE BAR ~Liquer me Up!〜
6月24日(木)〜7月31日(土)

6月24日(木)より、都内3会場にて
HUGE71号の発売記念イベントの開催が緊急決定!
もう誰もシラフじゃいられない。

Art_SHUNTARO TAKEUCHI 〜Let’s Get Drunk!〜
気鋭のアーティスト竹内俊太郎が、本誌のために描き下ろした新作8点を含む個展「Let’s Get Drunk!」を開催。さらに、今号の特集に登場した酒が飲めるバーも営業。もしかしたら、あの銘酒も飲めるかも!?

Place_UTRECHT / NOW IDeA
Schedule_6月24日(木)〜7月4日(日)
Ivent_6月24日(木)オープニングパーティー 18:00〜23:00
Contact_東京都南青山5-3-8 パレスみゆき2F
TEL 03-6427-4041 www.nowidea.info/
※会場にて『HUGE』をご購入頂いた方には、ノベルティグッズを先着順でプレゼント!

Book_BOOK FAIR 〜Reading The Liqueurs〜
特集の関連書籍を始め、酒にまつわる本をセレクトしたブックフェアを、1ヶ月にわたり開催。7月2日(金)には、本誌に『8miles of books』を連載中の編集者、岡本仁(ランドスケーププロダクツ)とブックディレクター、幅允孝(BACH)によるトークイベントも。イベント来場者には、コロナ・エキストラ缶をプレゼントします。

Place_SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)
Schedule_7月1日(木)〜7月31日(土)
Event_7月2日(金)19:00〜20:30(予約制)
トークイベント“本について、あるいは酒について”
   出演:岡本仁(ランドスケーププロダクツ)×幅允孝(BACH)
Contact_東京都渋谷区神山町17-3
TEL_03-5465-0588 www.shibuyabooks.net
※会場にて『HUGE』をご購入頂いた方には、ノベルティグッズを先着順でプレゼント! トークショー希望ご希望の方は、SPBSのホームページよりお申し込みください。

BAR_HUGE Meets STAND S〜HANG OUT!〜
山本宇一プロデュースのスタンドシリーズの1号店「STAND S」をHUGEがジャック。今号の写真を展示するほか、バックナンバーもラインナップ。7月2日(金)には、DJにBEAMS RECORDSの青野賢一氏を迎え、SPBSBで同日行われるトークイベントのアフターパーティーも開催。期間中は、BEAMS RECORDSが酒をテーマにセレクトしたCDも販売します。

Place_STAND S
Schedule_7月1日(木)〜7月31日(土)
Ivent_7月2日(金)“HUGE NIGHT” 20:30〜24:00
DJ:青野賢一(BEAMS RECORDS)
Contact_渋谷区宇田川町37-16
TEL_03-5452-0277
http://www.heads-west.com/pickup.html

2010-06-16 02:27:00

団塊ジュニアのリバーズ・エッジな90年代、そして現在


文庫で読めマス

90年代に自堕落な学生時代を過ごし、東京カルチャーのしっぽを捕まえたくて、青山ブックセンター@六本木で、深夜バイトに滑り込んだ自分にとって、ホンマタカシさん、林央子さん、斉藤まことさん、そして岡本仁さんが一同に介した日曜のSPBSワークショップは、まさに感涙のひとときでした。

というわけで、完全にチューターの立場は、ああ忘却の彼方へ。相方、伊藤総研にすべてを託し(ゴメン!)、すっかり受講生モードでヒアリング。そして、青春プレイバック! 諸先輩方の作ったメディアにドップリひたっていた若かりし頃の自分を反芻しつつ、90年代って、良き時代だったなぁと、しゃかりきレイドバック!

で、ふと思い出したのが、ダグラス・クープランド先輩のこと。そう『ジェネレーションX』の生みの親であります。中国経済ゼミだったクセに、教授に無理言って“ビートジェネレーションと禅”ってテーマで卒論を書かせてもらい、最終的にはX世代とヒップホップカルチャーについて書いたなぁ。例えば、彼の言葉をサンプリングして、今の時代の若者を描写するとこんな感じになるのでしょうか?

“ブラジル化(※1)する日本で歴史摂取過剰(※2)しながら、マックジョブ(※3)に従事。そのおかげで、日々オズモーシス(※4)を抱えながら、最悪の場合、情緒的ケチャップ噴出(※5)。痛ましポニーテール(※6)になるのも無理はない。”

一体なんのこっちゃ?って感じではありますが、政権交代やら焙りやらいろいろあった今年も残すところあと9日。ってことは、まだ9回飲めるってこと。良き仲間と楽しく酔いどれて新年を迎えたいと思う次第であります。 

■注釈
※1ブラジル化
富める者と貧しい者との間の溝が広がり、それにともなって中産階級が消失すること

※2歴史摂取過剰
あまりにも多くの事が起こりすぎるように思われる時代に生きること。主な症状としては新聞・雑誌・ニュース番組への依存

※3マックジョブ
サービス分野における低賃金、低地位、低尊厳、低恩恵、未来なしのジョブ

※4オズモーシス
自分の仕事が、自分の自己イメージに達しないこと

※5情緒的ケチャップ噴出
意見や感情を裡にためこんでいたため、爆発するように一気に吹き出すこと。雇用主や友人は驚き、とまどう

※6痛ましポニーテール
年配の体制に日和ったベビーブーマーでヒッピー時代あるいは日和る前の時代に恋焦がれている

2009-12-22 19:06:00

PROFILE

takahiro_shibata

柴田 隆寛

編集者/EATer所属。雑誌を主戦場に、書籍やリトルプレス、webの編集を横断的に行う。 主な仕事に『HUGE』、ロバート・ハリス著『人生の100のリスト』(ともに講談社)、『リサ・ラーソン作品集』(ピエブックス)、『KAT-TUN LIVE DOCUMENT PHOTOBOOK』 (角川グループパブリッシング)、「BEAMS」カタログ、「MOTTAINAI」キャンペーンコンセプトブックなどがある。 また、webサイト「夢の病院をつくろうPROJECT」のメンバーとしても活動中。
EATer:http://www.eater.jp/ 

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